フィラリアのお薬に挑戦!ところで、フィラリア症って?

フィラリアのお薬に挑戦!ところで、フィラリア症って?

8月28日

早い時期から猛烈な酷暑日が続き、蚊の活動が抑えられたおかげで刺されることも少なかった今年の夏。

そうはいっても、朝夕の涼しい時間や涼しくなってきた頃が危ない!

ということで、遅いスタートではありますが、フィラリアのお薬を処方いただきました。

 

「フィラリア」という名前は昔から知ってはいたのですが、改めて、

フィラリアってどういう病気なんでしょう?

具体的に何が原因となってどの段階でどういう症状を引き起こすのか等、

全く知らなかったので調べてまとめてみました。

フィラリア症とは?

フィラリアとは、犬フィラリア(和名:犬糸状虫)という、その名の通り糸状の寄生虫。その寄生虫に感染し、体内で寄生虫が成長することで様々な障害を引き起こすことフィラリア症といいます。

犬フィラリアは特にイヌ科に寄生しやすいのですが、他の動物にも感染する可能性はあり、非常にまれではありますが、人間に感染している例が国内でもみられます

猫の場合はフィラリアが体内で生き残れる確率は3~10%という少なさで、寄生されても目立った症状がみられない猫も多く、また犬とは異なる反応があるため非常に気付きにくいのですが、感染によって死亡する例もあるので、最近は予防をする方も増えているようです。

どうやって感染するの?(フィラリアの生態)

フィラリアを媒介するのは「」。

それは知っているのですが、わからないことだらけです。

蚊に刺されたら全犬感染するの?
すぐに症状が出るの?
真冬はどうして予防しないの?
予防方法ってどういうものがあるの?

それを知るには、フィラリアの生態と感染メカニズムを理解することが必要です。

感染した犬から蚊の体内へ

まず蚊が、フィラリアに感染した犬から吸血する際、血液中の小虫(ミクロフィラリア)も一緒に吸い込みます。

小虫(ミクロフィラリア)のころは、0.3ミリほどしかないそうです。ミジンコより小さい!

そのまま蚊を宿主にしてくれれば!!と思うのですが、蚊はあくまで中間宿主。

蚊の体内で2回脱皮し、初めて犬に感染する能力を持つ幼虫(感染幼虫)となります。

フィラリアがいない蚊はもちろん、蚊の持っているミクロフィラリアが感染幼虫になる前の段階であれば、刺されても感染しない!

しかも、気温によって幼虫へと成長することができないという特徴が。

14~15℃以下になるとミクロフィラリアは成長できなくなる!

だから冬は比較的安全なんですね!

(※ただし、1年間吸血し続けるチカイエカが年中快適な温度にコントロールされる環境で媒介する可能性もあるので、100%安全とは言えないかも?)

中間媒介の蚊から未感染の犬の体内へ

成長した感染幼虫は、蚊が犬を吸血する際にストロー部分から犬の体表に移動し、吸血孔や傷口などから体内に侵入。

でもまだここから約2か月程は成虫になるまでの準備期間。感染幼虫は皮下や筋肉を移動しながら2回脱皮し、ようやく成虫になります。

成虫になると血流にのって4か月ほどで心臓や肺に移動し、オスとメスが揃うことでミクロフィラリアを生みはじめ、ミクロフィラリアは血液中を循環します。

成虫は最終地点の心臓や肺で15~30cm程のサイズとなりますが、いきなり宿主に大ダメージを与えてしまっては、寄生する側も生きていけなくなってしまいます。

成虫の寿命は、犬の場合は5~6年といわれているので、たいていの場合生涯をかけて徐々に徐々に、血管等周りの組織を傷つけていきます。

フィラリアは宿主の中で生涯を過ごすために、徐々に組織を傷つける。そのため多くの場合、すぐに症状が出ることは少ない。

症状が表面化して気が付いた時には、大量のそうめん状の成虫が心臓にウニョウニョ。ということも。

具体的な症状は?

軽度・中度・重度の3段階に分けると、それぞれ次のような症状があらわれてくるそうです。

軽度 時々乾いた咳がでる
中度 咳が出る 運動を嫌がるようになる 毛艶が悪くなる 肺から異音がする
重度 おなかが膨らんでくる 食欲がなくなり痩せてくる 呼吸困難・失神 咳や尿に血が混じる

しかしながら、段階を踏まない急激な症状悪化の場合もあり最悪の場合死に至ることもあるそうです

症状が出てからでは手遅れということも!!きちんと予防することが大切!

フィラリアの予防方法

では、この恐ろしいフィラリア症を予防する方法は?

予防方法はこの2つ、媒介者となる「蚊除け」と、「予防薬の接種」です。

予防薬は、あくまで体内に取り込まれた幼虫を殺す薬で、侵入を防ぐものではありませんので、まずは蚊に刺されないように虫よけスプレーなどできる限りの予防も大切です。

予防薬はフィラリアの侵入を防ぐ薬ではなく、あくまで「体内に取り込まれた幼虫を駆除する」薬。

現在日本で使われているフィラリアのお薬は主にこの4タイプ。

タイプ メリット デメリット
錠剤 ●価格が安い場合が多い
(病院により異なるケースあり)
●月1回なので忘れる可能性あり

●味やにおいが嫌で飲み込んでくれない場合がある

チュアブル ●価格が安い場合が多い
(病院により異なるケースあり)●味付きで投薬しやすい
●月1回なので忘れる可能性あり

●錠剤に比べて大きい

スポット ●投薬が簡単

●フィラリア予防+ノミ・ダニの
予防・駆虫効果が得られる薬も

●薬をなめてしまう場合がある

●投薬後1週間程はシャンプー不可

●肌荒れする場合がある

●正しく滴下しないと予防が不完全

注射 ●年に1回もしくは2回でOK
(6か月効果と12か月効果あり)●投与忘れの心配がない●薬を飲まない犬でも大丈夫
●価格が割高

●注射が嫌いな犬には精神的負担

●副作用の危険性が高い(他タイプに比べて)

●年齢や体重・体質によって使用できない場合がある

それぞれワンちゃんの体質なども異なるので、どのタイプが良いかは獣医さんと相談して決めましょう

また、予防薬は「幼虫を駆除する」薬で、成虫になってしまうと駆除することはできません。

しかも、成虫やミクロフィラリアがいる状態で予防薬を接種すると、成虫が弱る過程で放出する物質でショック症状を引き起こしたりミクロフィラリアの死骸が血管に詰まって、急性症状を引き起こしたりすることがあるので大変危険です。

毎年必ず、予防薬を開始する前に血液検査をしてもらいましょう!

 

今回テバちゃんがもらったのはこちらのチュアブル錠。

フィラリア予防薬チュアブル

もぐもぐもぐ

フィラリアのお薬を飲む子犬テバちゃん

もぐもぐもぐ。ん?・・・もぐもぐ。

フィラリア予防薬チュアブルを食べている子犬テバちゃん

完食しましたー♪

フィラリア予防薬チュアブル完食した子犬テバちゃん

大変勉強になりました。忘れずに、きちんと投与します!!

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